中国からもWeightを公開している or オープンなモデルの発表が続いている。いつもの通り機械翻訳性能を検証してみた。性能評価に使用したデータは以前(DAMO PolyLM-13Bの機械翻訳性能 | ぷるーふおぶこんせぷと (staka.jp))と同じ。検証環境は環境はColab Pro+を用いた。基本的にfp16で扱っている。
本件の検証でもGPT-4oを用いて回答抽出を行った結果を併記しているが、基本的に指示への対応は安定していた。評価指標はBLEU、使用したツールやtokenizerは以前と同じ(sacrebleu –tokenize ja-mecab)である。「0 shot」と「1 shot」の比較でICLやRAGなどプロンプト内にデータを与えた時の性能、「出力そのまま」と「GPT-4で回答抽出」の比較で指示のしやすさをザックリとみる事ができる。いつもの通り非常に限定された機械翻訳ベンチマークである[1]ことに注意が必要である。
モデル | 0 shot / 出力そのまま | 0 shot / GPT-4oで回答抽出 | 1 shot / 出力そのまま | 1 shot / GPT-4oで回答抽出 |
Qwen/Qwen2-7B-Instruct · Hugging Face | 20.5 | 20.4 | 29.7 | 30.0 |
THUDM/glm-4-9b · Hugging Face | 25.5 | 25.5 | 30.4 | 30.6 |
結果と所感
Qwen2 7B、GLM 4 9Bとも機械翻訳性能は高い。さすがマルチリンガル利用を想定され構築されたモデルである。Qwen2とGLM4の性能差はパラメータサイズによるものに見える。
今までの検証結果を振り返ると、同様に構築されたAya-23 8B [2]と比べると出力の安定性(使いやすさ)はQwen, GLMが優れ、絶対性能は競合的またはややAya-23が優位といえそう [3]。
サイズが近く有名なモデルにはMistral 7B v0.3やGemma 7B、Llama 3 8Bがある。これらと比べると0 shot性能ではQwen, GLMが優れ、1 shot性能はほぼ互角である。0 shot性能はLLM内の知識に依存し、日本語での継続学習・SFTを行うと性能拡張の余地も大きそう。
Qwen2 7BはApache-2ライセンスと完全なOSSであることも重要。絶対性能が高く、命令追従性が良い、かつ、周辺ツールもよく整備されている強力で使いやすいモデルであるように思う。
脚注
[1] このあたりのザックリ感はいつもと同じ。
[2] Aya-23はCC-BY-NCと商業利用が禁止されているため使いどころは限られる。
[3] BLEUで測れるのかという話はあるが…
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